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第8回 大薗恵美先生

大薗先生
第8回のインタビューは、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の准教授でいらっしゃる大薗恵美先生にお話をうかがいました。一橋大学卒業後の銀行就職から、アメリカでの生活、そして、大学院准教授になられるまでの歩みを、私たちへのアドバイスも交えてお話くださいました。

略歴
1998年 一橋大学博士(商学)。
1997年より一橋大学助手(特別研究員)
1998年4月より早稲田大学アジア太平洋研究センター専任扱い客員講師
2000年4月より一橋大学大学院国際企業戦略研究科専任講師
2002年10月より現職(2007年より助教授から准教授へ名称変更)。
専攻は、競争戦略論、イノベーション・マネジメント、組織学習を中心とした組織論。
優れた競争戦略を実践する事業を表彰する「ポーター賞」の運営委員。
ここ数年、トヨタ自動車の海外販売・マーケティング活動におけるトヨタウエイを同定する共同研究を同社と行っている。 学外では、2004年6月より日新火災海上保険株式会社 顧問、2005 年7月より同社非常勤社外取締役。
2006年6月27日より株式会社りそな銀行非常勤社外取締役。

主な著書と論文
Extreme Toyota, John Wiley & Sons, 2008. (Co-author with Norihiko Shimizu, Hirotaka Takeuchi, and John Kyle Dorton.)
Radical Contradictions That Drive The World Best Manufacturing Company, Harvard Business Review, June 2008. (Co-author with Hirotaka Takeuchi and Norihiko Shimizu).
『イノベーションの実践理論』白桃書房 2006 (野中・谷地・児玉との共著)
Learning and Self-Renewing, Network Organization: Toyota and Lexus Dealers, in Hirotaka Takeuchi and Tsutomu Shibata eds., Japan, Moving Toward a More Advanced Knowledge Economy, Volume 2: Advanced Knowledge-Creating Companies, World Bank Institute, 2006.
「第6回ポーター賞受賞企業から学ぶ」『一橋ビジネスレビュー』54巻4号、2007年SPR.東洋経済新報社
The Strategy-making Process as Dialogue. Hitotsubashi on Knowledge Management. John Wiley & Sons. 2004.
「戦略的組織か学習する組織か」『一橋ビジネスレビュー』東洋経済新報社 2002年夏号
など。他にケース多数。
学生時代

一橋大学商学部に入学。株の運用をしていた父の影響で、ゲーム感覚として企業の盛衰に興味があった。学部2年の時には、当時小平で行われていた後期過程への導入特別講義で竹内弘高先生に出会い、自分の興味分野と確信し、竹内ゼミに所属した。これが後々ターニングポイントへ繋がっていく。英語が好きで高校生のときには、ケンブリッジの研修に行った。学部生時代は国際部とテニスサークルCANNONに所属し、アテネ・フランセに通っていた。また4年生のときにマッキンゼーのサマーリサーチに参加したこともよい経験となった。


アメリカでの生活とキャリアへの道のり

1988年に商学部を卒業し、同年4月、住友銀行に就職した。御茶ノ水支店にてTCの販売や信用LCの買取、為替の予約の取次ぎなどをしていた。89年に、学部2年生の頃からお付き合いしていた彼が3年間のアメリカ転勤に決まったため3月に退社、4月に結婚し、6月にはワシントンDCでの生活をスタートさせた。初めの一年間は専業主婦をしながらTOEFL等の準備をし、2年目よりビジネススクールに通いMBAを取得した。現在子供はおらず、夫は中国に会社を持っており1年の半分は別居しているが、それでも夫婦仲が良いのは、アメリカでの3年間があったからである。

帰国後は、バブル崩壊のちの不況により再就職が難しい状態だった。そこで学部時代のゼミ教官であった竹内先生に相談に行ったところ、野中郁次郎先生との共著「知識創造企業」のプロジェクトに参加させてもらえることになった。自分は、3つのこと―問題解決、助言、チームワーク―が好きだということに気づいており、それに基づいた仕事をしたかった。その後博士後期課程編入試験に合格し、野中ゼミにて本格的に研究をスタートする。卒業後は早稲田大学アジア太平洋研究センター勤務の後、2000年よりICS(International Corporate Strategy=一橋大学大学院国際企業戦略研究科)設立に伴い現在のポストに至る。現在は、りそな銀行と日新火災海上保険の社外取締役も務めているが、それには住友銀行勤務の経験が役立っている。

キャリア前半は全く無計画であったが、今から考えれば、すべての経験に意味があったと思う。アメリカから帰国後に、タイミングよく竹内先生に再会し、野中先生に出会ったことは、キャリアにおけるターニングポイントだったといえる。


苦労したこと

何度か環境の変化があったが、新しい環境に慣れるまでに時間がかかった。しかし、新しい環境に入ってすぐ慣れてしまうということのほうが怖い。ワシントンDCに行った時は、半年くらいはバタバタせず、ゆっくりと慣れていった。成長には時間を要するのが当たり前だからだ。その場その場に求められている共通の価値観や不問律が存在しているが、自分は失敗してしまった後で気がつき、周囲の寛容さによって助けられたことが多かった。そのために今では、そのような暗黙の了解の明文化を心がけている。また、ワシントンDCは東海岸でも比較的オープンな場所であり、西海岸にも近い雰囲気があったことや、アメリカの価値観が自分に合っていたということにも助けられた。

住友銀行時代は、支店に総合職が自分1人だったため、一般職からの重圧もあり「こうあらねば」という考えにとらわれ過ぎていた。自分でいることが難しかったのだが、そのプレッシャーに気がついたのはアメリカの自由な空気に触れてからだった。現在もICSの学生の平均年齢は31歳で、自分よりも実務経験が豊富な人が多い。その中で最近やっと自分でいることができるようになったと思う。自分でいることは難しいが、そのほうが絶対上手くいくのである。


仕事のやりがい

大学で働くとは、第1に「教育」、第2に「研究」、第3に「助言」、そして第4に「組織作り」である。どれも楽しい。特に、3番に挙げた助言にはやりがいを感じる。情報過多の中にいて、混乱している生徒でも、少し背中を押し窓を開けてあげれば、自分の考えが合っていたということを確認できるのである。そして自信を持って前に進んでいけるようになる。自分は、人のためならパワーが出せる性格だ。だからこの仕事はとても合っている。ICSは英語での高度な少人数教育と廉価な学費から人気があり、アジア・インド・ヨーロッパ・中東・アメリカなど世界各地から多くの学生を受け入れている。アメリカのMBAは国際的評価が高いが、一学年の生徒数が数百人であり大講義が主流なこと、同じ背景を持った少人数グループが形成されてしまいがちなこと、そもそもアメリカ人生徒の割合が高いことなどの問題点もある。以上に比べ、ICSは多彩なバックグラウンドを持つ一学年50人が、最初の一学期は全ての講義を一緒に受けており、日常的に積極的な討論が行われている。現在ICSの国内での評価は非常に高いが、国際的な評価はまだおよばず、海外での就職等で弱い部分がある。そこでプレゼンスを高めていくために、一人ひとりの研究員の発信や組織力を強めていくとともに、アクレディテーション(公的な外部機関による教育機関の品質認定)の取得を目指している。


女子学生へのメッセージ

出会いを大切にしてほしい。どんどん外へ出かけていき、いろんな人に会ってほしい。普通に会う人にも好奇心を持ってほしい。目的のための人ではなく、それ以外のネットワークを大事にし、好奇心を持ち誠実に付き合うことで、活性化している仕事ネットワークにつながるwin-winの関係のネットワークが築けるからである。行動に出てみるまで、何が好きかはわからないのだから、自分を知るためにも色々やってみることは大切だ。あとになって、一見関係のないように思えることが意外とつながっていることに気づくのである。

就職活動については、自分の頃にはあまり選択肢がなかったが、今は選択肢がありすぎて悩む学生が多い。20年先のキャリアを考えると、今条件が良い会社が将来もそうだとは限らない。業界構造が大きく変化するからである。条件ではなく、自分がおもしろいと思ってやれること、自分が求めること、要するに「中身」を中心に考えてみてはどうか。「チームワークで仕事をしたい」「お金が欲しい」「チームワークではなく、個人でやりたい」など、自分の大切にすることを中心に選んでいくことが大切だ。そうすれば悩んだときにも、初心にかえることが出来る。

野中先生が「自分なりの人生観を築くためには教養が必要だ」とおっしゃっていたように、経済学や社会学の基礎といった、コアになる学問はやっておくといいだろう。自分なりの人間観や、歴史観といったものは教養から来るものだ。現在は、その教養が弱くなってきており、それが企業で求められている人間力につながっていくことを考えると、是非養っていってほしいと思う。

大薗様、メンバー

大薗先生、どうもありがとうございました!
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  1. 2008/04/03(木) 00:04:07|
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  3. | コメント:0
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